その他の行事

平成30年度事業報告より抜粋

 第28回となる「材料科学に関する若手フォーラム」を開催した.若手フォーラムは 72名の参加者があり,特別講演の講師,および外部機関研究者から評価・コメントしていただくために,5名の方をお招きした.本フォーラムにより学科・専攻を超えて,材料科学に携わる大学院生・卒業研究に携わる学部生の活力ある研究活動・交流を促進できた.

 このほか,8月4日,5日のオープンキャンパス,11月3日のキャンパスウォッチング近隣住民,学内及び高校生・他大学・外部企業の見学で合計591名の施設訪問があり,加えて海外研究者によるセミナーの開催等も実施した.

 以上のように,当センターが本学の材料物性科学研究の施設として益々重要さを増しつつ,加えて,大学における最先端の研究成果および生の研究現場を広く高校生等や一般に公表・発信できることは,社会的にも広報の観点からも重要な役割と考えている.

 

材料科学に関する若手フォーラム

     若手材料研究者育成のために「材料科学に関する若手フォーラム」が開かれ、毎年優秀発表者を輩出している

オープンキャンパス、キャンパスウォッチング

     毎年7月に開催されるオープンキャンパスでは、施設を公開し、最先端の設備や興味深い研究活動を紹介している。

型国家プロジェクト報告

短時間光・物質相互作用の理解・制御が切り開く新材料・物性・デバイスの探索と創生

文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(H25年度~H29年度)

代表者:電子工学科教授 塚本新

 本事業は、人の理解・制御可能な時間の版図を広げ、新材料・デバイスの創生を図る野心的なプロジェクトとして発足しました。今日、種々の元素を原子レベルで制御する知見と技術を手に入れ多種多様な機能性材料、デバイスを勝ち得ています。その一方、時間領域において物性を良く理解しその技術的利用を達成しているのはナノ秒(10-9秒)オーダーであり、フェムト秒(10-15秒)という遥かに短い未踏領域の理解・制御を図ることは、近年要請が高まる超高速情報処理、新規光機能材料や超微細低エネルギー消費デバイス創生の指導原理の一つとして不可欠な知見につながるものです。この分野横断型課題を目標に掲げ、様々な専門性を持つ教員、主に海外から集ったポスドク、学生の強い相互協力の下、海外連携も通じ、理工学部先端材料科学センターを拠点とした有機的な研究環境整備により、新たな新材料・物性・デバイスの探索と創生を切り開く研究拠点を形成します。平成25年に文部科学省より選定され、共同研究成果例として新規超高速高密度情報記録原理の提案等発信して参りましたが、さらなる融合領域研究の発展を図ります。

磁区応答3次元光メモリ技術

                                                                                                                                                           National Project, 3-dimensional Magneto-Optical Memory Technology
                                                                                                                                                                               プロジェクトグループリーダー 電子情報工学科教授 伊藤彰義
 
     経済産業省・NEDOの委託で光産業技術振興協会が行う、産業技術応用研究開発プロジェクト「ナノメータ制御光ディスクシステムの研究開発」のうち、「磁区応答
     3次元光メモリ技術の開発」を先端材料科学センターにて実施した。これは、従来のコンパクトディスク(CD)150枚分の情報を収容でき、しかも書き換え可能な次
     世代の光磁気ディスク実現を図る最先端の研究である。光磁気ディスクは、画像、映像の処理などのための大容量ストレージ装置として、現在わが国が研究・産業と
     世界をリードしている。
 
     本プロジェクトは、平成10年度から5年間、日本大学、日立マクセル、富士通、三洋電機、シャープが協力して実施され、平成14年度に、プロジェクトの目標であっ
     100Gbit/in2(50Gbit/in2×2層)の世界最高密度を我々の発案である多層光磁気ディスクで実現し完了した。 媒体材料、磁区ダイナミクス特性、短波長用広帯域光
     検出IC、磁気光学浮上ヘッドなど多くの成果を挙げ、日本大学は基礎研究の分野で大きく貢献した。今後、企業での実用化研究への大学側からのサポートを行うため、
     日本大学理工学部へ取得総額4億6900万円の設備が譲渡され、本センターでさらに広く光磁気・光磁気メモリの先端的研究が継続される。
    
 
研究メンバー
     日本大学理工学部
     電子情報工学科教授        伊藤彰義(研究リーダー)
     電子情報工学科助教授  中川活二
     電子情報工学科助手      塚本新
     日立マクセル
     次世代ディスクセンター長  太田憲雄(サブリーダー)
     粟野博之、今井奨、石崎修、谷学
     三洋電機 デジタルシステム研究所      内原可治、中田正宏
     シャープ 基板技術研究所      高橋明、三枝理伸、池谷直泰
     富士通 ストレージプロダクト事業本部
     内山隆(サブリーダー)
     手塚耕一